債権回収のイロハのイ 相手方が行方不明?連絡が取れなくなった場合の対処法

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債権回収で弁護士にご相談されるきっかけとして多いのが、「相手方にLINEをブロックされました」「電話をしても出ません」といった、相手方と連絡が付かなくなったパターンです。

では、連絡が付かなくなった場合、どのようにすれば良いのでしょうか。

連絡が付かなくなった状態ごとに検討してみましょう。

相手方の住所や連絡先に変更がない場合

1つは、相手方の住所や連絡先の変更はないが、単に無視されている場合です。

この場合、相手方に対する請求のレベルを上げる方法を検討します。

内容証明の送付

まずは、内容証明の送付です。

ちなみに、内容証明は、文書そのものを指すのではなく、郵便の方法です。

具体的には、誰がいつどのような内容の文書を送ったのかについて、郵便局が証明(具体的には送った文書の謄本を保管)するサービスです。債権譲渡や契約解除の通知など、通知した事実と日時の特定が必要な場合に効力を発揮しますが、支払いを督促する場合にも頻繁に用いられます。

内容証明は、ご自身で行うケース、弁護士を介して行うケースがありますが、相手方に請求する意思、本気度を明確にするのであれば、弁護士を介して行うのが望ましいかと思います。

法的手続(訴訟)への移行

次に、法的手続(訴訟)を提起することを検討します。

この訴訟提起ですが、一般の方だと相当のハードルを感じるようで、そこまでやるのは…と躊躇される方が多い印象です。

しかし、少額の債権で相手方が争わないのであれば、裁判所で、支払督促という簡易な手続をもって、判決と同様に強制執行を行う権利を得ることができます。

支払督促は、簡易な手続ですので、弁護士を介さずにご自身でも行うことも容易です。

また、支払督促により、裁判所を介して相手方に通知がされるので、それを機に弁済について話し合う機会があるかもしれません。

ただし、相手方が争う姿勢を見せると通常の訴訟に移行しますので、この点を踏まえて行うかどうか決める方が良いでしょう。

相手方が転居していたり行方知れずの場合

さて、もう1つ、相手方が既に転居している、行方知れずになっているような場合はどうすれば良いのでしょうか。

そのような場合は、まず、残された手掛かりから相手方の住所を特定できないか、検討することになります。

まずは相手方の住民票を取り寄せ、現住所を確認します。但し、相手方が住民票を移していないケースもありますので、その場合は、その他の方法で相手方の住所や就業場所を特定します。方法としては色々あるのですが、ここでは割愛させて頂きます。

調査は、弁護士固有の調査方法がありますので、ご自身で行うよりも弁護士に一任した方が良いでしょう。探偵に頼むケースもあるかと思いますが、費用との兼ね合いになるかと思います。

住所が特定できれば、後は1で述べたとおりの段取りで請求することになります。

なお、住所の特定は、裁判との関係でも重要です。

ちなみに、あなたが債権者で、相手方に裁判(訴訟)を起こそうとしている場合、あなたは、裁判所に、相手方の居場所を記載した訴状を提出しなければなりません。

この相手方の居場所ですが、いくつかバリエーションがあり、

① 最初に相手方の住所等(生活の本拠や中心等)

② ①が無い場合、相手方の就業場所(勤務先)

を記載します。

そして、相手方に訴状が届いて初めて、裁判所は訴訟を始めることができます。

訴状は、特別送達といって、郵便局員が直接相手方に手渡す方法によって相手方に届けられます。

なお余談ですが、①②、相手方本人が不在の場合には、同居人等に訴状を送達する、また特別送達ではなく普通郵便で送達する方法で届けることも可能です。

相手方の住所や就業場所が分からない場合は、公示送達と言って、裁判所の掲示板にその旨貼り出すことで相手方に届けられたものとみなす方法もありますが、公示送達になるようなケースは、そもそも回収の可能性がほぼ無いのが大半になるかと思います。

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